
こんにちは対人恐怖症カウンセラーのじゅんです。
まわりとうまく話せない自分は駄目な人間だと思ってしまう、という方へ。
対人恐怖症の方の悩みの中で多いものだと思います。
これについてのぼくの考えなのですが、そもそも会話って難しいものだと思うんです。
まずは、どうして会話が難しいといえるのか。そこを説明します。
その理由は3つあります。
1つめは、工程が多いってことです。やることが多いということです。
たとえばあなたが誰かと1対1で会話する場合を想像してみてください。
相手が何か質問をしてきて、それに対して返事を返すといった場面です。
この場合、あなたがしなければならないことは、
1.相手の話を聞く
2.質問内容を理解する
3.質問の答えを考える
4.質問の答えを声に出して伝える
という4つの工程があります。
短くいうと、聞く、理解する、考える、声を出す、という4工程ですよね。
すごく当たり前の話に聞こえると思うんですけど、たったひとつの質問のやり取りで4つのことをしなければいけないんです。
改めて考えてみるとこれってすごく大変なことだとぼくは思うんです。
2つめは、時間がないことです。
これはどういうことかというと、会話とは基本的には相手の話したことや質問に対してすぐに答えるものですよね。
つまりさっき話した4工程を一瞬で終わらせなければいけないということです。
もちろん人によって話すスピードが違ったりするので差はありますが、
基本的には数秒以内で返さなければなりません。しかもそれを何度も繰り返す。
こんな制限がある作業は難しいと言えるのではないでしょうか?
3つめは、正解が無いことです。
これは、雑談を思い浮かべてもらえるとわかりやすいです。
ほとんどの会話では、相手の質問や話しかけてきたことに対してこう答えなければいけないという決まりはありません。
これを、自由度が高い、という表現をします。
ものごとは基本的には自由度が高いほど難しいです。たとえば、絵を描いてくださいと言われた場合を想像してみてください。
黒のボールペンだけを使ってゾウの絵を描いてください、と言われたときと、
好きな色を使って何でもいいのできれいな絵を描いてください、と言われた時はどちらが難しく感じるでしょうか?
絵を描くことに慣れた人なら、自由に描いていいと言われた時の方が楽かもしれません。
ただ、普段絵を描いていない人が自由に描いていいよと言われても戸惑いますよね。
会話もこれと同じで、会話が苦手な人が特に苦手意識を感じるのが雑談で、その理由は自由度が高いからなんです。
今話した3つのことをまとめてみます。
「やることが多くて、時間がものすごく限られていて、答えが決まってない。」
そんな仕事があったとしたら、とても難しく感じませんか?
それが会話なんです。
このように会話とは難しいものだから、当然得意な人もいれば苦手な人もいる。
これは自然なことなんです。
そして、そもそも何かが苦手だからといってその人が人間としてだめだというわけではないと思うんですよね。
たとえば料理がまるでできない人、泳げない人、車の運転ができない人。
この方たちは、料理・水泳・車の運転の能力が低い人ということはできるかもしれません。
でも人としてダメかどうかは全く関係ないですよね。
これと会話は一緒だと思うんです。
だから、まわりとうまく話せなくても、自分はダメだと考える必要は無いというのがぼくの意見です。
今回は以上です。また、お会いしましょう。
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