
同じ出来事も、考え方を変えることで、明るくもなり暗くもなる。
こんにちは。
対人恐怖症から解放されるためには、
様々な考え方を学ぶことが大切です。
なぜなら、同じ出来事に対しても、
ひとつではなく複数の考え方をもつことで、
精神的な安定を得ることができるからです。
不安の気持ちが減る、と言い換えてもいいでしょう。
対人恐怖症は、他人からどう見られるのか・どう思われるのかを気にする気持ちが強くなりすぎて、
精神的に不安定になり、恐怖や不安の感情に支配されてしまう病気です。
その結果、他者と自然に接することができなくなってしまいます。
これを克服して、人間関係を自然な状態に戻すためには、
健康的な精神状態=精神を安定させることが必要です。
そのために、複数の考え方をもつことが役立つというお話です。
ではなぜ、複数の考え方をもつことが精神的な安定につながるのでしょうか。
それは、ひとつの考え方では、ネガティブになりやすいからです。
実は人間は「ネガティブ思考」が標準です。
まず、みなさんに知っておいていただきたいのは、
本来人間は「ネガティブな考え」をするのが標準だということです。
健康な人間の思考の80%はネガティブなことだという研究結果があります。
これを聞いて、何となく違和感がありませんか?
学校・会社・・・どんな組織でも一般的には、
「ポジティブ」「前向き」「プラス思考」が良いこととされています。
それなのに80%がネガティブな思考で「健康な状態」と聞くと違和感があると思います。
なぜネガティブな思考が標準なのか?
その答えは簡単です。
不安や危機感などのネガティブな考えをもたなければ命が危ないからです。
突然目の前に刃物を向けた人が迫ってきたら?車が猛スピードでこっちに向かってきたら?
「怖い」「逃げたい」というネガティブな気持ちが起こらなければ死んでしまうでしょう。
このように、人間にはもともと危険を回避するという本能があります。
そのため、何か出来事があった時にまず悪い方を考えるということが自然です。
対人恐怖症に悩む方は合理的な考えができなくなっている。
ただし人間は学習する生物です。
「この人は安全だ」と考えた人と接する時は、ネガティブな思考をする必要がないということを学んでいきます。
そのほうが合理的だからです。
初対面など良く知らない人と接する時は警戒心や不安な気持ちが必要です。
これが、素性もわかる職場の同僚など、
安全と判断した他者には不安な気持ちが低くなることが通常です。
しかし対人恐怖症に悩む方はこの合理的な考えができなくなってしまっています。
見ず知らずの人はもちろんのこと、場合によっては関係が近く、
安全であるはずの人たちにそれ以上の恐怖や不安を抱いてしまいます。
ここで話を戻しますが、人間関係で何かが起きた時、
反射的に思いつくのは、ネガティブな思考です。
たとえば仕事で何かを発表していた時、
上司が下を向いてため息をつく姿を見たらどう感じるでしょうか。
「自分の発表がつまらないからだ」と反射的に考える方が多いと思います。
しかし、ここで他の可能性を考えてみましょう。
そうすると、
「上司は残業が続き疲れているのかもしれない」
「これから自分の知らない憂鬱な予定(顧客に謝罪に行くなど)があるのかもしれない」
「家庭で嫌なことがあったのかもしれない」
などの自分の発表以外の理由が思いつきます。
もちろん本当の答えは上司に聞いてみないとわかりませんが、
はじめの理由だけを考えていた場合より心が軽くなるでしょう。
このように、複数の考え方をもつ癖をつけることで、
過度に傷つくことを防ぐことができ、精神の安定につながります。
3つの考え方をもつように心がけてみましょう。
おすすめは、「3パターン」考えることです。
人間の脳は同じことについて3つまで把握しやすいという性質があります。
4つ以上の考え方をすることはもちろん良いことなのですが、
考える負担が重くなってしまいます。
何かあった時に3つ考える、これをぜひ試してみてください。
そして、考え方はいろいろな本や動画などから学ぶことが可能です。
たとえば人間関係に悩んでいるのであれば、人間関係に関係する本をたくさん読むことで、
自分には思いつかないような考え方を学ぶことができるでしょう。
その学んだ考え方を3つの内に取り入れるようにすれば、
より幅広い思考が可能になります。ぜひ、取り組んでみてください。
人間はネガティブな思考をしやすい性質のため、
何かあった時に一つの考え方のみにとらわれていると不安感が高まりやすい。
健康な精神状態を保つために、
複数(おすすめは3つ)の考え方をもつように心がけよう。