
「皆仲良くするべき」は、絶対ではなく、ひとつの考え方。
こんにちは、カウンセラーのじゅんです。
今日は「対人恐怖症の深層心理」のお話をします。
深層心理とは、心の奥深くで働く、自分でも気づかない心の動きのことです。
深層心理を知ることで、自分自身の考えのクセに気づくことができます。
クセに気づくことで、自身の考え方を改善でき、気持ちを楽にすることにつながります。
たとえば人間関係に不安を感じている方が、人間関係についての自分の考え方のクセに気づくことで、
考え方を改善することができ、人間関係の不安を減らすことができます。
本日は、対人恐怖症の方が抱えがちな代表的な深層心理をひとつ紹介します。
対人恐怖症・代表的な深層心理①
それは、「同じグループの中の人間は仲良くすべきで、それができない自分は劣った人間だ」という心理です。
詳しく説明します。
同じグループ、とは学校や職場など自分が所属しているグループのことです。
要は、学校の中や会社の中では、みんな仲良くすることが良いことなのに、それができていない自分はダメな人間だと考えているということです。
対人恐怖症に悩んでいる方は、人間関係をうまく築けていない自分を責めてしまう方が多いので、この考えを持つ方が多いのです。
多くの方は子どもの頃に学校で「みんな仲良くしましょう」と教えられてきました。また、テストなどで、何かができる=高評価、できない=低評価という図式に当てはめられてきました。
これによって、仲良くする=よいこと、仲良くできないこと=悪いことという考え方を多くの方がするようになってしまっています。
その結果、周囲の人と人間関係がうまく作れないことに強い劣等感を感じてしまうようになります。
そのことが原因で更に周りの人と接しにくくなってしまいます。
このような形で対人恐怖症が進んでいってしまっている方をぼくは多く見てきました。
この考え方からの脱出方法
ここから脱出するための2つのステップを紹介します。
① 上記の深層心理に自分が気づくことです。
気づくとは、自分の中に「皆と仲良くすること=良いこと、それができない自分=ダメな人間」という考えがあることを認めることです。
② 次に、別の考え方もあるのではないかと検討しましょう。
たとえば次のような考え方です。
- 学校でも職場でもどうしても合わない人はいる。その人たちとまで仲良くする必要はない。
- 他人と仲良くできることは良いことかもしれないが、それができるかは能力の問題であって、人間的な優劣の問題ではない。
- そもそも全員と仲良くは不可能だ。
このような考え方ができるようになると、自分を責めたり劣等感を持ったりすることが少しずつなくなっていきます。その結果、対人不安が和らぐことにつながっていきます。
ポイントは、劣等感を持たないようにしよう・自分を責めないようにしよう、と直接自分の感情をコントロールしないことです。それはほとんどの場合失敗します。
そうではなくて、先ほど紹介したような新しい考え方を取り入れることで、自然に自分を責めないようにしていくことがコツです。
対人恐怖症に悩む方に共通する深層心理として、
「同じグループの中の人間は仲良くすべきで、それができない自分は劣った人間だ」というものがある。
この考え方は、対人恐怖症をさらに悪化させるものであるので改善していく必要がある。
改善方法としては、以下のような考え方を自分の中に取り入れることが重要だ。
- 学校でも職場でもどうしても合わない人はいる。その人たちとまで仲良くする必要はない。
- 他人と仲良くできることは良いことだが、それができるかは能力の問題であって、人間的な優劣の問題ではない。
- そもそも全員と仲良くは不可能だ。
以上です。ここまでご覧いただきありがとうございました!